お茶とふんわり握りたてのおにぎりを愉しむお店。
『棗』

山中保歩さん

店長

お茶農家の次女として産まれる。大学進学とともに上京。新卒で大手飲食店に就職。4年間勤務し、店長も任される。
その後1年、飲食や物販の仕事を経験し、2020年8月に地元に戻る。
9月より『虎三治』でアルバイト開始。
2021年1月より『虎三治』で、月1イベント『おにぎりと茶事』を開始。
並行して実家の茶業を手伝い、新たにティースタンドとしてマルシェ出店などに取り組む。
2021年8月、『虎三治』3店舗目となる『棗』を中町にオープンさせる。

お茶農家で育ったということですが、子供の頃の思い出はありますか?

毎年、GWが製茶のシーズンにあたるので、友達が色んなところに遊びに行っているのを羨ましくも思いながら、両親がお茶刈りをしに行っている茶畑やお茶工場に遊びに行ったりしていました。今でも工場のお茶を蒸す香りは、初夏の懐かしさを感じます。
後は、製茶のシーズンが終わると工場の掃除があって、掃除が終わった後にみんなでご飯を食べにいくというお決まりの流れが、いつも些細な楽しみでしたね。

学生時代とその後について教えてください。

大学進学とともに上京しました。大学生の頃から現実的に、自分で飲食店をやりたいとは思っていたので、卒業後は飲食業大手のカフェダイニングに就職しました。何度か異動をしながら、新店設立や業態変更なども経て、渋谷のど真ん中の店舗では店長も経験し、4年間その会社で勤めました。
出来るうちにもっと視野を広げたいとの思いから、退職。その後、小さいバーのような飲み屋や小売業も経験しました。一年近く働いた頃、コロナが流行り始め、自然と今後について考える時間が増えました。もともと(やりたいことをするなら地元で)と思っていたので〝地元に帰る良いタイミングかもしれない〟とポジティブに捉えて、帰ることを決心しました。

地元に戻ってからは、どのように過ごしていましたか?

数ヶ月間は実家の手伝いをしていました。実家の茶業を少しでも知ってもらいたくて姉のツテで、御在所のマルシェに出店させていただきました。小売だけではなく、出来るだけ手軽に、身近にお茶が飲める方がいいと思い、テイクアウト形式のティースタンド『chagoto』として出店を始めました。月に2、3回のペースで出店していたのですが、全然売れない時もあって、自分でお店をするという擬似体験として良い勉強になりました。「地元でお茶のお店をしたい」と漠然と思っていたので、その構想を練りつつ、人脈作りやアルバイトもしなければなと思っていました。

オーナーの三日月さんと、『虎三治』にて。
お茶は、煎茶から香りのいい和紅茶まで種類も豊富。
ふかふかのおにぎりと、優しい味の和のおかず。

『虎三治』で働き始めたキッカケは?

そう思っていた時に、友人に虎三治を紹介してもらいました。即採用の理由をオーナーの三日月に聞くと、「お茶に詳しい人材を探していた矢先だったから」みたいで、こんなベストタイミングがあるのかと驚きました。ただ、お茶一本でお店を構えられるのかという不安はありました。そんな時に、おにぎりをやりたい子がいると紹介してもらい、意気投合しました。おにぎりとお茶はすごく似ていて、なかなか主役にはならないけど、ちゃんと出来たてを味わうと、ほっと身体に染み渡るんです。そういう意味でもすごく相性のいい組み合わせだと思います。
一月から、月に一度虎三治を間借りして、『おにぎりと茶事』というイベントを企画していました。それも、新店オープンに向けてのシュミレーションという裏テーマがあり、コンセプトやメニュー構成など、そこから確立して今があると思っています。

そして、とうとう自身の店『棗』がオープンしましたね!

ありがとうございます!オーナーと共に、日々試行錯誤しながら頑張ります。
中町という昔ながらの老舗が立ち並ぶ素敵な場所で、『棗』がどう作用していくのかも楽しみです。おにぎりとお茶もどんどん変化していきますので、お客様にとって、「お茶しに行こう」と、今度また誰かを誘いたくなるようなお店になればと願っています。

INFORMATION

棗(ナツメ)

三重県四日市市中町2-8
ひるげ   11:00-15:00(l.o 14:00)
お茶と甘味 14:30-17:00(l.o 16:30)
かき氷   15:00-17:00(l.o 16:30)
instagram : kosanji_natsume

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