Gotcha! パパラッチがオーラ漂う3人を四日市で激写

Photography: Koki Maegawa / Text: Moka Ishikawa / Edit: Yuki Hayashi

ここは四日市某所。1月6日の21時を回る頃、夜の街中に3人の男の姿があった。
冬の刺すような寒さを忘れさせるほど男たちからあふれ出るオーラは熱いものだった。
ラフな服装に身を包んだ彼らは、冠徹弥(THE冠)、やべ きょうすけ、NAOKI(10-FEET)である。
我々のカメラが捉えたその瞬間の彼らはどこか心を躍らせており、まるで少年のようであった。
談笑している間もこちらに気付く様子は無く、楽しげに夜の街に消えていった。
一体どういう目的で、なぜ四日市にいるのか、我々にもまだわからない。

BEYOND…

その先には一体何があったのか

楽しげな3人の後を追い、辿り着いた先は暗く細い路地裏であった。怪しげな『SUBWAY BAR』という看板があるその場所は、キャパシティが200名ほどのライブハウス。急な階段を上った先の扉を開けると、蒸し風呂のような熱気に包まれた会場があった。

1月6日、気温5度。そんな寒さを一瞬で吹き飛ばすほどの熱気。年が明け、ますます冬の寒さが厳しくなるこの時期に、この場所だけは真夏に負けないアツさがあった。会場では、四日市で活躍する地元DJのtaku(MASK)、SHIN(MASK)、YAGA3(MASK)、MAICO(MASK)、LILJUN(バンドがしたいんよ)がフロアを沸かしていた。さすがはプロのDJたち。人の心の掴み方、場の温め方を熟知している。その場にいる全ての人を煽り、一気に引き込んでいく。全員の緊張が解け、そこから会場がアツくなるまで、時間はかからなかった。DJに煽られた人たちがブース前に押し寄せる。全員が手を上げ一体となり、会場を揺らしていた。写真の通り、この盛り上がりである。地元DJたちは、その熱を一瞬たりとも冷めさせることなく、次々とバトンを繋いでいった。

振舞い酒などが配られ会場のボルテージもマックスになった頃、冠徹弥(THE冠)、やべきょうすけ、NAOKI(10-FEET)が登場した。蒸し風呂だった会場が、更に熱を上げる。

最初にブースに立ったのは冠徹弥。自身が所属するヘヴィメタルバンド、THE冠で鍛え上げられたシャウトで圧巻のマイクパフォーマンス。DJを回しながらも生歌を披露するなど観客の興奮を限界まで煽り、建物全体が揺れるような盛り上がりを見せつけていた。

冠 徹弥
1971年9月7日生まれ。歌手。ヘヴィメタルバンド「THE冠」のヴォーカル。役者としても活躍。

次に姿を見せたのはやべきょうすけ。誰よりも自らがアツく、それにつられるように会場の温度が上がっていく。ロック好きには堪らない選曲と、観客を巻き込むやべきょうすけのアツさは、SUBWAY BARのみならず、四日市を沸騰させた。そして、10-FEETの『第ゼロ感』を流したところで、会場の盛り上がりは最高潮となり、NAOKIへとバトンを繋いだ。

やべきょうすけ
1973年11月12日生まれ。俳優。「闇金ウシジマくん」をはじめとした映画やドラマに数多く出演。

NAOKIは、どんな年代にもささる懐メロでさらに会場をひとつにした。曲が変わるたびに観客の興奮度は倍増していく。場の盛り上げ方、煽り方はやはり一流を感じざるを得ない。

NAOKI
1977年8月24日生まれ。 SLAM DUNK主題歌『第ゼロ感』で話題沸騰中ロックバンド「10-FEET」のベースとして活躍。

かなりの熱を保ったままの3人は、誰一人として休憩することはなく、DJブースを降りていきファンと交流。写真やサインに一人ひとり丁寧に答え、握手にも快く対応。このファンサービスもアツい会場が生み出したものだろう。イベントに参加した人の中には、三重県外から訪れた人も多数。中にはこの日のために海外から訪れている人もいた。音楽が好き、何よりもこの3人が好きという気持ちが、観客をイベント会場へ向かわせたのだ。「四日市」という街がこれだけの熱量をもって盛り上がることができる機会はそう無いだろう。フロアにいる大半の人たちがここで初めて出会っているにも関わらず、一緒に歌ったり、踊ったりしている。人とのコミュニケーションが音楽一つでこんなにも容易なものになるのかと感じさせられる。そして、今日出会ったことなど関係ないというように、隣の人と一緒にアツく、盛り上がることができるのは四日市の「人柄」なのかもしれない。イベント終了後も会場の熱はおさまらない。深夜2時を回ろうとしていたが、ずっとこの空間に浸っていたいような感覚であった。このイベントを通してここに来た人たちが、仲間になっていく姿は忘れられない思い出になるだろう。

冠徹弥の兜で遊ぶNAOKI

ノリノリなやべきょうすけ。メディアで見せる顔とは一変し、無邪気な姿が見られるところが地方イベントならでは。

ACTUALLY,

冠徹弥(THE冠)、やべきょうすけ、NAOKI(10-FEET)が四日市に来た本当の理由とはー

実は、今回のイベントはJoinfomagの発行元である株式会社ATISの15周年を記念して行われたものである。株式会社ATISの代表である岩瀧とNAOKI(10-FEET)は旧友であり、前々からこのようなイベントをしたいと話していたそう。このイベントを行う理由のひとつはATISの若手スタッフに『遊ぶ』を知ってもらうため。「昔はクラブに行き、明日のことなど考えずに朝まで遊んでいた。しかし、今の若い人たちは明日のことを考えながら遊ぶ。それは悪いことではないが、若いうちは目いっぱい遊んでほしい。」と岩瀧は言う。ATISのスタッフの中には、クラブと聞いてあまり良い印象を持っておらず、行ったことがない人もいる。そうではなく、もっとフラットに大勢で盛り上がり、ただただ楽しいイベントをやりたい。『遊ぶ』ことの楽しさを知ってほしい。そんな想いからイベント開催の話は着々と進み、ATISの元スタッフであるtaku(MASK)を中心として運営にあたった。イベント運営に携わったATISのスタッフたちは、プロがおりなす会場の雰囲気作りや人と人が出会う瞬間を目の当たりにし、イベントを主催するという経験からも何か得るものがあっただろう。

イベント前には、ATISスタッフとゲスト3人、地元DJ全員での食事会を開いた。場所は四日市市諏訪栄町にある「ドラゴン食堂」。中華料理とお酒の相性が抜群なこのお店。ゲストの3人は出される料理にどれも絶賛の声を上げていた。普段の男気溢れる姿とは裏腹に終始気さくに歓談しており、写真やサインにも快く応えてくれた。

気さくでユーモアあふれる3人。ATISスタッフたちとの食事会でも場を盛り上げてくれた。

イベントを通し、一体となって頂点まで盛り上がることのできる四日市の人も、街も気に入ったようであった。この街のアツさも3人に届いたようだ。彼らは、「また、絶対に来たい。」の一言と熱を残し、四日市をあとにした。

202401.06 JOiNFO NiGHT ATIS 15th Anniversary Party

YOKKAICHI Local DJ

taku(MASK)

SHIN(MASK)

YAGA3(MASK)

MAICO(MASK)

LILJUN(バンドがしたいんよ)

INFORMATION

株式会社ATIS(Joinfo mag 編集室)(Joinfo night 企画・運営)

三重県四日市市安島1丁目7-15 BONビル  1F・2F
Tel :059-350-1015
OFFICIAL WEB SITE:https://atis-design.com/
15th anniversary site : https://atis-design.com/15th/