2020年7月にメジャー 1st Digital Single「泡沫花火」をリリースし、メジャーシーンに進出して3年。メディアやフェスなどの露出が増え忙しくなってきたと思います。今回2nd Full Albumを出した今のお気持ちを率直に聞かせていただけますか?

柳田 「泡沫花火」以降、神サイ4人以外にも、豪華なアレンジャーさんやバンドプロデューサーさんなど、普段関わることのない方々と一緒に作品を作り上げていて、チームがだんだん大きくなっていると実感しています。ありがたい環境で音楽が作れているなと思うし、すごく楽しかったです。前作に引き続き今回も、Rin音さんやasmi(あすみ)さんなど、バンド以外の方とのコラボレーションで、素敵な曲がたくさん生まれ、今年も実りある制作ができていると思います。

任天堂Switchから発売される『FREDERICA(フレデリカ)』の主題歌に「Division」の書き下ろしが決まった時の心境を教えてください。また、『FREDERICA(フレデリカ)』の物語を歌詞に落とし込む際、大切にしたことはありますか?

柳田 僕が小学生ぐらいからずっとRPGで遊んでいたので、話が決まった時はめちゃくちゃ嬉しかったです。ゲームのオープニングに色々なアーティストの方の曲が起用されていて、そこに名前が載るということが子どもの頃からの憧れでした。音楽を自分で作るようになり、アニメやドラマの書き下ろしをたくさんさせて頂いたんですが、僕にとってゲームへの書き下ろしもとても嬉しくて。RPGもストーリーやテーマがあり、制作スタッフさんたちの届けたい想いがあるので、オープニングを書けることは作詞・作曲する立場としてすごく誇らしいことだと思います。今回、『FREDERICA(フレデリカ)』のテーマの舞台が「言葉を奪われた世界」なのですが、今の時代は、SNSが生きていく上で社会全体に必要不可欠なものになっている感じがします。SNS上で悲しい言葉や人を傷つけるような言葉が毎日のように流れているのを見て、SNSがなかった時、こんなに人は傷つけ合ってたかなと思うぐらい、どうしちゃったんだろうと思っていたので、「言葉」をテーマにしている『FREDERICA(フレデリカ)』がリリースされることに意味をすごく感じ、そこに重きを置いて歌詞を書きました。

「朝靄に溶ける」は作詞がasmiさんと共同制作でしたが、苦労した点、良かった点はありますか?また、制作の前と後でお互いの印象は変わりましたか?

柳田 基本的に女性と一緒に歌うときは女性の声を主役にしたいと思っています。asmiさんの声は女性ボーカルの中でも高いキーまで出せる方なので、僕が気持ちよくメロディーを作ったとしてもasmiさんがそのメロディーを気持ちよく歌えるかどうかをかなり考えました。そして、asmiさんは、僕のイメージ通りの人でした。周りの空気を朗らかにするオーラがあり、愛にあふれた素敵な方です。レコーディングの現場の空気もライブで一緒に歌ったときもすごく楽しかったです。

「キラキラ」、「カラー・リリィの恋文」どちらの曲もテーマは青春だと感じましたが、柳田さんにとっての青春はどのようなものでしたか。

柳田 これまで生きてきて、いつが一番青春だったんだろうと考えた時に、仲間内で馬鹿なことをやっていた学生時代ももちろん青春だったけれど、もしかしたら今なんじゃないかなと思うことがあります。『神はサイコロを振らない』というバンドが出来て、良いことだけではなく、共に乗り越えなきゃいけないことすべてを含め、人生を賭けて何かに向かうことがもしかしたらすごいことなんじゃないかなと思っています。後先考えずに進んで死に物狂いで音楽やっている時期を死に際に思い出すのかなと考えますね。

柳田さんは多くの作詞・作曲をされていますが、私生活からアイデアが湧いてくるのですか?また私生活がどう音楽に影響してくるのか教えてください。

柳田 僕が歌詞を書くときはすごくパーソナルなことを書くのですが、歌詞が生まれてくる瞬間は苦しかったり、しんどかったり、すごくギリギリなんです。でも、年中しんどいかと聞かれたらそうではないんですよ。ライブをやっているときは楽しいし、メンバー・スタッフとご当地グルメを食べたり、海で泳いだり、そういう時間はすごく楽しいです。自分のしんどい部分をより際立たせるために、普段はメンタルを良い方向に持っていくことを意識していますね。

8/22のZepp Nagoyaでのライブ、お疲れ様でした。名古屋の皆さんはどうでしたか?

柳田 『エーテルの正体』というツアーで名古屋に行った際、回っていたどの都市よりも盛り上がりがすごくて、名古屋の方は好きになったらとことん好きになってくれますし、その熱量は年々上がっているんじゃないかと感じますね。先日のライブは『TREASURE05X 2023 THEATER OF ENVY』というイベントで、ワンマンではなかったのですが「ワンマンかな?」と思うぐらいの熱量や愛が、バシバシ伝わってきました。名古屋らしくて大好きな街です。毎年どころか月1で行きたいですね。(笑)

柳田さんのInstagramを拝見しました。ライブの様子やバンドの皆様の写真があり、仲の良さが伝わってきました!

柳田 中学生の頃から一人でYouTubeに動画を投稿していたんです。当時YouTubeはどちらかというとアングラなもので、YouTuberという概念もなく、『動画投稿系男子』というのが流行ってた頃なんです。だから僕は動画投稿系男子なんです。(笑)音楽はもちろん好きなのですが、人を笑わせたいとか楽しませたいというのが昔から好きでした。

最後に三重県で発行している本誌の読者の皆さんへメッセージをお願いします。

柳田 かつて四日市の『CLUB CHAOS』でライブした時のことは忘れもしないです。その時初めてライブ中に客席に降りて、真ん中で飛び跳ねながらみんなと歌ってすごく盛り上がったことが僕たちのライブのルーツにもなっています。
四日市には熱量やパッションがあると思うので、またツアーで舞い戻りたいと思っています!(笑)